春、川越に花の季節がきた。
３月の末に淡雪が降った。それでも桜は咲き、
喜多院は花見客でいっぱいになった。

春の雪　ふわりふうわり
　またふわり

花寒に
クリーム色の傘が揺れ

三寒がつづき
四温がちぢこまり

梅が散り雲ひとつない空がある

満開の桜に幼子
手を伸ばし

吹く風や鳩も花見に加われり

風一陣　枝垂れ桜が鞭になり

たこ焼きも違う味する花見かな

花の宴「ことしもやるぞ」と声がする

春祭り研修生の紺上着

春風や羅漢の頬も緩みおり

木蓮は
光を受けて手をひろげ

ゆったりと往く人を見る
辛夷かな

糸柳　枝垂れて人も街に溶け

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