６月、走り梅雨……
６月が来た。新緑が黄緑色から深緑になり、季節は少し湿っぽくなる、
近くの川には、このままここで夏を越すつもりらしい鴨が
何羽か休んでいる。そのうちの一羽は、羽が傷ついている。

降る雨や　つつじの赤に驚けり

走り梅雨　風を身籠もる朝もあり

桜桃忌近づきて
本の塵払い

明け鴉　鳴き声も湿り桜桃忌

残り鴨　傷つき尖った羽を出し

近くの川に、いつも２羽の鴨がいた。けれどもある日、一羽の羽根が傷ついた。病気なのか怪我なのかわからないが、嘴でさかんに羽根をつついている。しばらくは飛ぼうという努力をしたようだかが、最近は諦めたのか一日中、同じところにいる。

少し前までは、つがいの片方も一緒にいた。昼間はどこかに飛んでいくが、夕方になると帰ってきて一緒に餌をとっていた。しかし１週間ほど見かけない。あきらめて飛んでいったのか、他の相手を見つけたのか、わからない。

−−傷ついた羽根を時折バタバタさせながら、１羽の鴨が小川に浮かんでいる。



故郷から蜘蛛の巣ついた夏蜜柑

父の日が
近づき我も日本酒買い

生け垣の薔薇が切られて刺を知る

梅雨が来てひとつ荷下ろし独り酌

紫陽花はどこまでが蕾かと君が問う

燕来て或る人が逝き
猫が泣く

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